発売日のはなし 本日の一枚■John Coltrane / Evenings At The Village Gate: John Coltrane with Eric Dolphy
7月ももう終わりです。
ニュースでは毎日災害級の暑さと報じております。
今日の最高気温は32℃です、と聞くと、「あ、よかった。今日はまだマシだな」と思えるようになりました。
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ああ、また出ました、コルトレーンの未発表音源のアルバム。
今回は事前にUPされていた音源のクオリティの良さにも期待して発売日当日に購入しました。
欲しいCDを発売日に購入したい時は、今でこそネットの予約すればその日に届けてくれるというのが主流かと思いますが、おっさんがバレるのを恐れずに書くと、昔、CD屋に行くと、売り場のすみーっこの方に、今後発売予定のラインナップが書かれている大きな紙が貼られており(とにかくこれをチェックしていた)、そこには小さな机と注文票の束がおいてあり、そこで欲しいものを書き、店員さんに渡して取りおいてもらうという形でした。
そんなことせんでもCDなんて売り切れないだろ、というそこの若者、Z世代よ。当時は初回限定生産版に、何かしらのオマケや、ケースの仕様が違っていたりしており、それこそ1週間ぐらい過ぎてしまうと、もう初回分がなくなってしまうそんな時代だったのじゃ。
というか今の若者はCDを再生できる機器を持っているかも怪しいか。
話は逸れましたが、近年、定期的に出てくるジョン・コルトレーンの未発表アルバムです。
(ちなみに初回版で何か特別なおまけや仕様はございません)
近年のコルトレーンの未発表音源で衝撃だったのはなんと言っても、5年前にリリースしたスタジオ録音の「Both Directions At Once」でした。それから、映画用の録音だったものや、至上の愛のライブなどがリリースされましたが、正直、ファン(信者)の私にも100%満足という作品ではなかったでした。
そして今作はというと、ヴィレッジ・ゲイトでのライブ盤です。
なんとエリック・ドルフィーも参加しております。
録音時期的には’61年の8月で、言わずと知れた名盤を残した、かのヴィレッジ・ヴァンガードでのライブより3か月前になります。
全曲聴いた結果、とても満足しております。
バンドとしてはエリック・ドルフィーは参加したてだったのでしょうか、バンドへの挨拶代わりか、ドルフィーを十分にフィーチャリングしております。実は私はドルフィーは、今風に書くと、あまりにも「エグい」プレイに正直、若干苦手な部分もあるのですが、当時、あの強烈な個性と凄まじいプレイのコルトレーンと張り合えるのは、唯一ドルフィーしかいない、改めて凄いプレイだなと感じました。バスクラが多く聴けたのも良かったです。
どうやらマイク1本で録音しているようなので、コルトレーンやピアノのマッコイ・タイナーの音が若干遠いような気がしますが、前作の至上の愛のライブ盤よりかは聴きやすいです。
特にドラムのエルビン・ジョーンズの音がよく録れており、スイング感、ダイナミクスの素晴らしさを再認識しました。
という訳でドルフィー、エルビン好きに特におすすめ。
コルトレーンのファン(信者)としては「Impressions」をソプラノでやっているという貴重な録音で買いです。
それと、ライナーノーツが充実しており、当時のヴィレッジゲイトのスタッフや、レイクシア・ベンジャミンとブランフォード・マルサリスという新旧サックスプレイヤーが、このアルバムについてだけでなく、コルトレーンに対しての思いなどが書かれてあり、とても興味深かったです。
それにしてもこの未発表音源、何だかまだまだ出てきそうな気がします。
ただでさえ、コルトレーンは若くして亡くなりましたが、膨大な音源で、今でも一生分は楽しめるぐらいな量はあるかと思います。
ですが、また出たらどうせ買ってしまうのですが。
*
近日のライブです。
ワンホーンカルテットによるジャズスタンダードをやります。
予定入れた時は全く気がつかなかったのですが、連休の中日のようです。
もしよろしければどうかよろしくお願いいたします。
■8/12(土)
馬車道 Ben Tenuto
【QUARTET】
川村信一(tenor sax)
篠田淳(piano)
大森哲也(bass)
川村成史(drums)
start 19:00
¥2,000 + table charge ¥500 + order
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